
データ作成の注意点
・ブラックオーバープリント(スミノセ)について
1.カラー印刷は4色(C、M、Y、K)のインクを使って印刷しますが、印刷時にインクの色ごとに刷版を作り、4版の インクを刷り重ねることでカラー印刷が行われます。その際に、4色の4版の位置が少しズレたり、紙が伸縮する ことで異なるオブジェクトの色の境界に隙間ができ、紙の白が見えてしまうことがあります。 これを一般に「版ズレ」といいます。 「版ズレ」を防ぐ為に、黒の100%で作成された文字やオブジェクトなどのベクトルデータ部分は、「ブラックオー バープリント」という処理を致します。 「ブラックオーバープリント」は、背面に配置しているオブジェクトの上にある黒を重ねて印刷します。

ブラックオーバープリントを行っていない黒100%の文字
当社では、「ブラックオーバープリント」の処理は、印刷の製版工程でRip処理時に自動的に行われます。
データ上のオーバープリント設定はトラブルの原因になりますので使用しないでください。

ブラックオーバープリントを行っている黒100%の丸
版ズレ対策を行っているブラックオーバープリントですが、広い範囲になると下地に色がある部分と色が無い部分の色の濃さに差が出てしまい、下地が透けているように見えてしまい目立つ場合がございます。

下地が透けるブラックオーバープリントを防ぐには
- 黒の濃度を100%のままで、シアンを1%プラスする。
- 黒の濃度を99%にする。
- リッチブラック(弊社では、シアン40%・マゼンタ40%・イエロー40%・黒100%)にする。
リッチブラックにされますと、黒100%の黒より深味のある黒になりますが、
細かい文字や線では、版ズレが起きやすいので黒100%のみで作成してください。
レジストレーションのようにCMYK全てに100%の設定や合計300%を超える濃度の場合は、濃度が濃すぎ
るので印刷のインクは乾きが悪くなります。
乾いてないインキは重なっている紙の裏に付着(裏付き)の原因になりやすいです。
オーバープリント設定の確認をする方法
・オーバープリント設定は通常のプレビュー状態では確認することができません。
「表示」→「オーバープリントプレビュー」でご確認ください。
もう一度「オーバープリントプレビュー」を選択すると、通常のプレビューに戻ります。

・黒以外の色のオーバープリント
・カ弊社にご入稿頂く場合は、オーバープリント設定はトラブルの原因となります。 トラブル防止のため、オーバープリントのチェックは外してください。
オーバープリント設定の有無はデータチェックの対象となりませんので、ご注意ください。 色を重ねる際は、透明効果で調整してください

ホワイト(CMYK全てが0%)のオーバープリントについて
・ホワイト(CMYK 全てが0%)のオーバープリントは、透明状態になり下地がそのまま印刷されてしまいます
のでご注意ください。
白色のオブジェクトに、オーバープリントを設定しようとすると、下記のアラートが表示されます。

オーバープリント設定の確認をする方法
・オーバープリント設定は通常のプレビュー状態では確認することができません。
「表示」→「オーバープリントプレビュー」でご確認ください。
もう一度「オーバープリントプレビュー」を選択すると、通常のプレビューに戻ります。

・ヘアライン(印刷されない細い線)
線を引く場合は、線の太さを0.25pt(ポイント)以上にして下さい。 ヘアライン及び、0.25pt以下の罫線には、ご注意下さい。
ヘアラインとは、「塗り」で色を設定し「線」には色を設定していない罫線を事を意味します。
また、0.25pt以下の罫線でも、プリンタでは、ある程度の太さでプリントされる事もありますが、オフセット印刷機での印刷の場合は、出力機にて正常に出力されませんので、イメージ通りの印刷物の製品にはなりません。

・レイヤーについて
ご入稿の際は、レイヤーにも事前の確認事項がございますので、下記の注意点をご確認ください。
・レイヤーの非表示
目のアイコンが無いレイヤーは、アートボード上に表示されていません。
こちらは、このままの状態ででは、実際の印刷もされませんので、不要な場合は、レイヤー名を選択し、ゴミ箱で削除してください。

・レイヤーのオプションで、「プリント」のチェックが外れている
目のアイコンが付いているレイヤーでも、レイヤー名をダブルクリックして「レイヤーオプション」の画面を確認し 「プリント」のチェックが外れていると、レイヤー内のオブジェクトは見れているが、印刷はされないので、ご注意 ください。

・オブジェクトの「ロック」、「隠す」機能について
「オブジェクト」→「ロック」及び、オブジェクト→「隠す」は、すべて解除してご入稿ください。
オブジェクトのロック解除は、「オブジェクト」→「すべてをロック解除」、オブジェクトの隠すを表示させるには、「オ
ブジェクト」→「すべてを表示」を選択してください。
「隠す」をされているオブジェクトは、印刷されません。

・クーポン冊子印刷(無線綴じ製本)のノド部分
無線綴じ製本とは
本券(本文)を順番に丁合してホットメルトという製本専用の
ボンドを180度の高温迄高めて糊付けする方法です。
無線綴じは、中綴じ製本と違い800頁位の厚い本まで、製本することも可能です。

冊子を綴じるノド部分の5mm以上、余白スペースにしておくことをオススメ致します。
注意1︓「表2・表3」と「本券(本文)」の圧着部分に、濃い絵柄があるとボンドが接着しにくくなります。
注意2︓無線綴じ製本は、製本方法の都合上、冊子を綴じるノド部分まで完全にページを開くことが出来ませんので、冊子を綴じるノド付近部分の文字や写真などデザインが見えなくなる可能性があります。
※ページ数や本券(本文)の紙質・紙の厚みによって、ノド付近の開き具合も変化します。
商品の仕上がりに支障がきたしそうな場合は、当社より確認の連絡をさせていただく場合がございます。


・回数券のミシン目加工部分について
表紙付きの回数券は表紙に綴っている1枚目にはミシン目が入っていません。1枚目にもミシン入れをご希望の際は、オプションの「ミシン目加工」の欄に、「ミシン目1本追加」を選択してください。

- 回数券のミシン目加工の位置は、(図-1)の様に必ず入稿データの仕上がりサイズの外に十字トンボで位置を指定してください。
- 印刷面内に(図-2)のように点線や実線を付けられますと、印刷データに反映され、そのまま印刷されてしまいますのでご注意ください。
- (図-1)と同様に10枚綴りは9本、11枚綴りは10本のミシン本数になります。
- 回数券のミシン間隔は、20mm以上になります。 20mm以上の広い幅のミシン加工が可能です。
- 回数券のミシン間隔が20mm以下の場合は、見積もりになります。お問い合わせください。
印刷データの作成ポイント
「印刷データの作成ポイント」を、さらに詳しくご説明いたします。是非ご参考にしてみてください。