複写伝票で下に字が写る仕組み
1枚目の用紙に記入することで2枚目、3枚目と重なっている用紙にも自動で複写される複写伝票。
普段から気軽に使っていますが、一体どんな仕組みで複写されているのでしょうか。
この記事では、複写伝票の仕組みや種類についてご紹介します。
そもそも複写伝票とは?
複写伝票とは、領収書や飲食店のオーダー表などとして使用されている複写式の伝票
のことです。
感圧紙(ノーカーボン紙)を使って作られており、1枚目に記入すると2枚目、3枚目と
下の用紙に同じ文字が写る仕組みになっています。
感圧紙の登場
現在のように感圧紙が出回るまでは、紙と紙の間にカーボン紙を挟んで複写するのが一般的でした。
しかし手間がかかってしまい「1枚しか複写できない」「記入するたびにカーボン紙を
挟み直さなくてはならない」などの意見も多くみられました。
そこで登場したのが感圧紙です。
見た目は普通の紙でありながら「圧を加えることで複写できる」「1度に数枚書き写せる」など
それまでの手間が省け手軽に使用できます。
発色の仕組み
感圧紙は上用紙・中用紙・下用紙の3層に分かれており以下のようにそれぞれ異なる特徴
があります。
上用紙:裏側に、無色インクの入ったマイクロレベルのカプセルが塗られています。
中用紙:表側には染色に用いられる溶剤である顕色剤が塗られ、裏面には上用紙と同様の
カプセルが塗られています。
下用紙:表面に、中用紙と同様の顕色剤が塗られています。
上記の用紙を順番通りに重ねてペンなどで圧を加えると、マイクロカプセルが潰れます。
潰れたカプセルから出た無色インクと顕色剤が瞬時に化学反応を起こすことで、発色する
仕組みとなっています。
色の種類
複写に使用される色は青色や黒色などがありますが、最もポピュラーなのが青色です。
用紙も白色だけでなく、クリーム色やピンク色など明るい色が使用されています。
複写伝票を複数取り扱う場合、用紙の色が同じであると間違いが生じやすいため、内容に
よって色分けしている企業も多くあります。
紙厚
複写伝票の用紙は、厚みによってN40・N50・N60・N80・N100・N130・N160の7種類に
分けられます。
N40が最も薄く、番号が大きくなるほど厚みも増します。
筆圧にもよりますが、用紙が薄ければ5~6枚、厚ければ2~3枚までは複写可能とされています。
減感処理でできること
複写伝票の中で「この範囲だけ複写したくない」という部分は、減感処理を施すことで
複写されないように加工することができます。
複写用紙の一部に無色の特殊インクを印刷することで、化学反応が起こらなくなるという
仕組みです。
複写伝票におすすめのポイント
用途別に多くの種類がある複写伝票ですが、それぞれに合った用紙や色合いがあるため
選ぶ際には注意が必要です。
・1番人気は?
7種類の紙厚の中で最もよく使われているのが厚み0.06mmのN40です。
N60が0.08mmで一般的なコピー用紙と同じ厚みなので、それよりも若干薄い厚さとなっています。
請求書や納品書などほとんどの複写伝票でN40が使用されています。
・用途によって違うおすすめの品番
お客様に渡したり、保管が必要となるような契約書などの場合はN80やN100がおすすめです。
発注する際には、コストや用途に合わせて「記入用紙のみを厚くしたい」「間の2枚は
薄くしたい」などのアレンジも可能です。
・見やすさも重要
何枚も用紙を重ねて作られる複写伝票ですが、全ての用紙を同じ色にしてしまうと1セット
ごとの区切りが分からなくなってしまったり、お客様用と保管用の用紙を間違えてしまったり
とトラブルが起こりがちです。
そんな時には、用紙の色を1枚ごとに変えてみるのもおすすめです。
インクの色を変えるよりも安価な上、一気に視認性がよくなり使いやすくなるはずです。
各複写伝票の特徴を把握して業務に適したものを選ぼう
いかがでしたでしょうか。
この記事を読んでいただくことで、複写伝票の仕組みについてご理解いただけたと思います。
化学反応を起こすことで複写している、と知って驚かれた方もいるはず。
インク色、紙の色や厚み選びはもちろん、必要に応じて減感処理などを施してオリジナルの
複写伝票が作成しましょう。
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